講師:奥田 浩人 先生
★覚えたほうがいい検査値
AST 40 (基準値10~40 IU/L)
ALT 40 (5~45 IU/L)
ΓGTP 10台 (♂:80IU/L以下、♀:30IU/L以下)
T.B(トータルビリルビン)1.2 (0.2~1.2mg/dL)
TP(総蛋白)6 (6.5~8.2g/dL)
Alb(アルブミン)4 (4.5~5.0g/dL)
TC(総コレステロール)250 (120~220 mg/dL)
TG(中性脂肪)150 (30~150 mg/dL)
BUN(尿素窒素)20 (8.5~20.0 mg/dL)
Cr(クレアチン) 2はダメ! ♂:1.0、♀0.8 (♂:0.6~1.0mg/dL ♀:0.5~0.8mg/dL)
血小板 15~20万/mm3 (13~35万/mm3)
Na 135~150
K 3.5 (3.5~5)
・鉄代謝
鉄の体内分布
ヘモグロビン鉄2/3+貯蔵鉄1/3(フェリチン、ヘモジデリンとして肝臓、脾臓に貯蔵されているFe)
Fe2+が吸収されやすい!
Fe3+(食物中に含まれるFeの多くは3価鉄)
↓
Fe3+⇒Fe2+(胃酸により2価の鉄に還元される)
↓
十二指腸で吸収
鉄の体内動態
血清鉄:トランスフェリン(血液中での鉄輸送蛋白)と結合した鉄
フェリチン:貯蔵鉄量の目安
・貧血
定義:末梢血のヘモグロビン濃度(Hb)、ヘマトクリット値、赤血球数が基準値以下になった状態
原因
①赤血球の産生量減少
原材料(Fe、VB12、葉酸)の不足
骨髄の造血機能の低下
②赤血球の消失量増大
出血(急性・慢性)
溶血の亢進
③その他
膠原病、悪性腫瘍、慢性炎症
症状
頭痛、めまい、易疲労感、動悸、息切れ、眼球結膜蒼白
MCV(平均赤血球容積):赤血球の大きさ 80~100正常
・鉄欠乏性貧血
概念:鉄欠乏により赤芽球のヘモグロビン合成が低下して起こる
最も頻度の高い貧血で1/2を占める
原因
①吸収低下(胃切除、無胃酸)
②妊娠、授乳
③月経
症状
①スプーン爪
②口角炎、舌炎
③異食症
検査値
①小球性低色素性貧血 ⇒ MCV↓
②貯蔵鉄(フェリチン)↓
治療
①経口Fe剤(第一鉄Fe2+) 貯蔵鉄た貯まるまで(3~6ヶ月)継続
・巨赤芽球性貧血
概念:骨髄に巨赤芽球が出現する貧血
原因:VB12、葉酸が欠乏
核のDNA合成にはVB12と葉酸が必要→欠乏すると、細胞は大きくなるが、核が未熟な巨赤芽球になる
①VB12欠乏
VB12は胃の壁細胞から分泌される内因子と結合→回腸で吸収
胃全摘→内因子量が減る
VB12摂取不足→VB12は肉に含まれる
②葉酸欠乏
メトトレキサート、アルコール
症状
①舌乳頭萎縮
②神経障害(VB12欠乏症)
検査値
①大球性正色素性貧血⇒MCV↑、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)→
②悪性貧血:坑内因子抗体(+)、抗胃壁細胞抗体(+)
③骨髄にて巨赤芽球(+)
治療
①VB12不足には、VB12製剤の筋注
②葉酸欠乏には葉酸内服
・再生不良性貧血
概念:骨髄における造血幹細胞の障害により、汎血球減少を呈する貧血
原因
先天性:Fanconi貧血
後天性:特発性85%
続発性→薬剤性(クロラムフェニコール、抗がん剤)、ウイルス
症状:汎血球減少に伴う症状
①赤血球減少:貧血
②白血球減少:易感染
③血小板減少:出血傾向
検査値
①正球性正色素性貧血(網赤血球↓)⇒MCV→、MCHC→
②汎血球減少
③貯蔵鉄(フェリチン)↑
④血清鉄↑
治療
①造血幹細胞移植
②免疫抑制療法
・溶血性貧血
概念:何らかの原因により赤血球破壊の亢進(寿命の短縮)により生じる貧血
通常、赤血球の寿命は120日
原因
先天性:G6PD欠損、PK欠損
後天性:自己免疫性溶血性貧血
溶血の生じつ場所により、血管内溶血と血管外溶血(脾臓などの網内系にて、赤血球の寿命前に破壊される)がある
症状
①黄疸、胆石
②脾腫
検査値
①正球性正色素性貧血(網赤血球↑)⇒MCV→、MCHC→ :赤血球がなくなるので、その前の網赤血球が増える
②間接ビリルビン↑:脾臓で赤血球が破壊され、ヘモグロビンの代謝産物である間接ビリルビンが増加
※ビリルビンについて
ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素です。
ビリルビンは血液で肝臓に運ばれ、胆汁中に捨てられます。 肝臓で処理される前
のビリルビンを「非抱合型(間接)ビリルビン」※1、処理された後のビリルビンを
「抱合型(直接)ビリルビン」といい、あわせて総ビリルビンと呼びます。
通常、総ビリルビンは血液中にごくわずかしか存在していません。
基準値:総ビリルビン:0.2~1.2 mg/dL
治療
①副腎皮質ステロイド
②摘脾
③免疫抑制剤
ポイント
赤血球の破壊
骨髄は問題なし→製品(赤血球)が悪い
赤血球→脾臓で壊される
・腎性貧血
概念:慢性腎不全により、エリスロポエチンの産生低下のために起こる貧血
治療
遺伝子組替ヒトエリスロポエチン製剤
正球性
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