2013年11月19日火曜日

【大学院】認知症概論

講師:細野 克彦(月島クリニック院長)

4大認知症(dementia:diménʃə)+2
①アルツハイマー病(AD:Alzheimer's disease)
   →軽度認知機能障害(MDI:mild cognitive認知の impairment機能的障害)
②脳血管性認知症(VD:vascular血管の dementia認知症)
③レビー小体型認知症(DLB:dementia with Lewy bodies)
④前頭側頭型認知症(FTD:frontotemporal dementia)

Ⅰ.神経原線維変化型老年期認知症(SD-NFT:senile dementia of the NFT type)
Ⅱ.嗜銀(しぎん)顆粒性認知症(AGD:argyrophilic銀親和性の grain粒子 dementia)

認知症の病態
AD:Aβ(アミロイドベータ:老人斑)→Aβアミロイドーシス
DLB:αシヌクレイン→αシヌクレイノパチー
FTD:ピック病、タウ→タウノパチー(タウが貯まる→ピック球が見える)


<特徴>
ADとMDI
・記憶障害(必ずある)+失語or失行or失認or実行機能障害(←これのみMDI)
・側頭葉の端っこにある海馬と扁桃体(隣どうし)が記憶に関係
・海馬がやられる→海馬が萎縮する(脳室よりも大きな空洞ができる)
アルツハイマー脳
通常の老人の脳(左)とアルツハイマー型認知症患者の脳(右)。

VD
・原因→ラクナ梗塞 梗塞→融解壊死→溶けていく

DLB
・海馬がやられる病気ではない
後頭葉がやられる→視覚障害、幻覚
・パーキンソン病(PD)と同じ病気
・記憶ではなく(海馬がやられない)、歩行障害から起きる

FTD
前頭葉+側頭葉がやられる
・≒ピック病
・「我が道を行く」病気→社会的行動の障害
・海馬ではないので、記憶障害がない
・前頭葉障害→実行機能障害
・前頭葉→情動コントロール

SD-NFT
・80歳後半から発症
Aβ沈着を伴わない→老人斑がない

AGD
Aβ沈着を伴わない
・易怒性(じじいに多い)
・FTD(我が道病)を疑う症状→よく怒る!
・年をとると頭に銀が貯まる




認知症は症状で決まる!
病理的判断はしない

疾患から見た割合
疾患の判断は、試験のテストなどで決める

→しかし、頭を開いて脳を見ないと、正確に判断できない

脳を見て病理的に判断したもの
実際は嗜銀(しぎん)顆粒性認知症と神経原線維変化型老年期認知症が多い













<症状>
・失行:着衣失行、時計が描けない
・実行機能障害:自分で組み立ててやり遂げる能力がない
・ブローカ中枢↓:話せなくなる
・ウェルニッケ中枢↓:ウェルニッケ失語、相手の話している言葉の意味が分からない