講師:三木 知博 先生
心不全の原因疾患
・高血圧
・虚血性心疾患
・心筋症
・弁膜症
心不全
2年以内死亡率→1/3
6年以内死亡率→2/3
・負荷( load)
心臓の収縮を基準に考える→前負荷=収縮前、後負荷=収縮後
前負荷(preload)・・・循環血液量 前負荷のことを容量負荷 volume load とも呼びます
後負荷(after load)・・・末梢血圧抵抗 後負荷を圧負荷 pressure load とも呼びます
・心拍数増加⇒十分な収縮、拡張ができない
心拍数180回/分までは、心拍出量は増加する
★ポイント
前負荷・・心筋が収縮する直前の拡張終期に心室筋に加えられている負荷のことをいう
後負荷・・・収縮期において、心室から大動脈に血液を拍出する際に心室筋加えられる負荷
※心不全→前負荷が同じでも、拍出料が増えない
・RAA系
前負荷・・・心筋の拍出↓ ⇒ 腎へ行く血液量↓
アルドステロンは体液貯留・血管収縮作用がある
・心筋再構築(リモデリング)
急性心不全から慢性心不全に移行する際に、壊死により脱落した心筋細胞の隙間を埋めるために繊維芽細胞が増殖して心臓が肥大し、結果的には心筋収縮力の低下につながる現象
心筋組織のアンジオテンシンIIをはじめ、エンドセリン、バソプレッシン、ナトリウム利尿ペプチドなど様々な生理活性物質が関与していることが明らかになりつつあります。
ACEI、ARB・・・心臓のリモデリングを抑制し、慢性心不全の進行を遅らせることが大規模臨床試験から明らかに
心不全治療の初期から使われる例も増えてきた。
・急性心不全
★フォレスター分類(循環動態による心不全の分類)
Forrester博士は1976年に急性心不全の循環動態を4種類に分類しました。すなわち、左心室弛緩末期圧と心係数の平面を心室弛緩末期圧18mmHg、心係数2.2 l/分/m2 を境に4つの区分に分けました。
心室弛緩末期圧・・・肺動脈圧と相関しており、これらが18mmHgを越えると肺水腫が生じます。
心係数・・・2.2 l/分/m2 は血液が十分に各臓器に送られるために最低限必要な心機能であるとされています。
心不全では心室弛緩末期圧ー心係数曲線は右下方に移動
↓
交感神経系の活動やアンジオテンシンII、バソプレッシンなどの産生↑
↓
体液量・血液量が増加、血管系、特に静脈系が収縮
↓
静脈から心臓に灌流する血液量(静脈灌流量venus return)が増加
↓
結果左心室弛緩末期圧が高まることにより正常に近い心拍出量が保たれ、区分IIに入る
さらに心不全が悪化
↓
心室弛緩末期圧-心係数曲線が下方に移動
↓
心室弛緩末期圧を上げても心拍出量を確保できない
↓
区分IVに入る
★Forrester分類と治療薬
・慢性心不全
心不全と言えば→昔は胸部レントゲン→今はBNP
・ナトリウム利尿ペプチド
ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)
主として心房で合成・貯蔵され、血液中に分泌されるホルモン
水・ナトリウムの利尿、血管の拡張、レニン・アルドステロンの分泌抑制、循環血漿量の減少
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)
主として心室から血液中に分泌されるホルモン
強力な水・ナトリウム利尿作用、血管拡張作用を有しており、心室に負荷がかかると分泌され、交感神経系および
レニン・アンギオテンシン系を抑制して、それらのホルモンと拮抗的にはたらいて心不全などの病態を改善させます。
NYHAに並行して、血中BNPの濃度が上昇
基準値ANP:40pg/ml以下 BNP:20pg/ml以下
http://medical-checkup.info/article/71854489.html
★ポイント
フロセミド・・・神経体液因子を不活化し、心不全を悪化させる可能性あり
2013年12月31日火曜日
2013年12月9日月曜日
【大学院】臨床医学特論:肺炎
講師:平野 博嗣 先生
肺:Lung[lʌ́ŋ]
肺炎:lungs inflammation
・肺の構造
右:3葉(上葉、中葉、下葉)
左:2葉(上葉、下葉)
・気管支・・・ホースの硬さと太さ
タバコを吸うと線毛がなくなる
↓
扁平上皮になっていく(扁平上皮≒皮膚と同じ)
↓
肺がん
※この反応は可逆的なので、タバコをやめると元に戻る
禁煙2日後
↓
扁平上皮が剥がれて、線毛になっていく
↓
この時に扁平上皮と痰が一緒に出ていく
・界面活性物質
息を吸う→肺が大小動く ←界面活性物質が働いている
カゼ→2型肺胞上皮→界面活性物質が沢山出る
高齢化→2型肺胞上皮 減少→界面活性物質 減少→肺が膨れたまま⇒肺気腫≒COPD
・肺炎とは・・・細菌に感染して、レントゲンが白くなる
↓
起因菌は→肺炎球菌、マイコプラズマ肺炎(元気)
※呼吸器疾患別入院患者数
①肺炎 ②結核 ③COPD
・肺炎の分類
①大葉性肺炎・・・肺胞と肺胞間でバイパスが出来て、炎症が移る
②市中肺炎と院内肺炎・・・入院48時間以降は院内肺炎
③過敏性肺臓炎・・・ハウスダスト(実質原因不明)
④薬剤性肺炎・・・イレッサ、グレオマイシン
【重要】
病変の主座による分類
・細菌性肺炎(肺胞腔)←抗生剤、基本ステロイドを使ってはいけない(でも、すい膜炎の時はステロイド)
・間質性肺炎(肺胞壁)←第一選択ステロイド、細菌感染ではない炎症にはステロイド(とにかく炎症を抑える)
・特殊な状態での肺炎
①沈下性肺炎(大葉性肺炎)・・長期臥床(がしょう)[ベッド上で寝ていること]患者で背部に慢性のうっ血や水腫がみられ、二次感染を起こした肺炎
②嚥下性肺炎(大葉性肺炎、小葉性肺炎)・・異物の誤嚥、異物型肉芽腫と細菌性肺炎
③肺の日和見感染(大葉性肺炎)・・抗生剤、ステロイド、制癌剤に伴って免疫力の低下した患者におこる
『間質性肺炎』
すりガラス状陰影→間質性肺炎決定
間質性肺炎は、肺胞と肺胞の間の隔壁に炎症が起るため、この部分が線維化を来たし肺が縮んで硬くなっていく病気です。胸部レントゲン写真では、両方の肺に広く粒状の影や網目状の影が出現し、進行すると蜂の巣に似た影になっていきます。
http://www.hyo-med.ac.jp/department/rspr/IP.html
・インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザ:発熱→少しのカゼ症状
かぜ:発熱少なく→鼻水や咳がある
・膀胱炎
膀胱炎⇒頻尿、排尿痛、発熱しない→抗生剤で治る
↓
腎盂炎(発熱する)
※ポイント
腔・・・胃炎、腸炎、気管支炎→発熱する
腔でなく、詰まっている・・・膵臓炎、肝臓の炎症→発熱する
2013年12月4日水曜日
【大学院】臨床医学特論:糖尿病
・SU剤
基礎インスリンの替りができない
高齢者の肝機能、腎機能低下症例ではSU剤は禁忌
・メトホルミン製剤
インスリン枯渇⇒⇒アシドーシスは必発
↓
↓つまり
↓
インスリンの基礎分泌があれば問題なし +体重減少(肥満発生しない)+膨満作用あり
※スタチン夕食後を推奨しているモノはない⇒エビデンスあり⇒いつ飲んでも同じ
・DPP-4
チアゾリジン系との併用で効果up
↑
・心毒性あり
・効果は筋肉で効く
・チアゾリジン系⇒しっかりとNa制限しないと心不全になる
HbA1c:7.0%♀⇒⇒高齢者では、もう少し高くても良い
生命予後因子
Bp>Bs
歯周病>Bs Bsコントロールに歯周病が関係している。
↓
全ての歯を抜けば、Bsは改善することが分かってくる
葉が抜ける→歯槽骨がせせる
・ミネラル
Ca2+:無気力、頭痛
Mg2+が極端に低い⇒血糖コントロールが悪くなる
※インスリン抵抗性の発現機序として、Mg不足があるとエビデンスがある
※GI値(Glycemic inndex)
GI値について「消化吸収可能な炭水化物50gを含む食品を空腹時に摂取した時の、摂取開始から2時間後までの血糖変動曲線が描く面積が、ブドウ糖を50g摂取したときの面積の何%を示すかという値」
※食パン、フランスパンはブドウ糖よりもBsが上がる(GI値)
じゃがいも(米と同じ扱い)←砂糖以上の砂糖 ⇒じゃがいも(GI値:60%)
牡蠣は砂糖を食べるようなもの
TGが高い⇒夕食ボリューム型が多い(⇒晩酌も)
Key Word 「夕食ボリューム型」
■夕食ボリューム型郡が非夕食ボリューム型群よりも高い
136mg/dl vs 119mg/dl
■中性脂肪
202mg/dl vs 115mg/dl
■レムナント様ポリ蛋白コレステロール(RLP-C)
7.1mg/dl vs 4.6mg/dl
・インスリン製剤
インスリン⇒筋肉、脂肪で糖分を溜め込む
・暁現象
※朝の睡眠中・空腹時の時間帯に生じる特異的な血糖値の上昇のこと
超持続型インスリンのランタス(グラルギン)、レベミル(デテミル)、トレシーバ(デグルデク)を使えば、暁現象はかなり緩和されるようになった。
ランタス、レベミル‥打って6時間に山がある
トレシーバ ‥少し山がある
低血糖の再発はデグルデク投与で増加せず、2型糖尿病患者のメタ解析
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/wdc2013/201312/533967.html
基礎インスリン
どんなに安静にしていても、寝ているときも、からだは一定量のエネルギーを消費し続ける。それをまかなうために、肝臓は毎分1.8~2.2mg/kgの糖を全身に供給し続ける1)。一方、膵臓のβ細胞は、肝臓からの糖の放出量と全身における糖の取り込み量を適合させるために、常に一定量のインスリンを分泌している。これをインスリンの「基礎分泌」という。
インスリンの基礎分泌と追加分泌によって、空腹時の血糖値は通常70~100mg/dL くらいに収まる。
基礎インスリンの替りができない
高齢者の肝機能、腎機能低下症例ではSU剤は禁忌
・メトホルミン製剤
インスリン枯渇⇒⇒アシドーシスは必発
↓
↓つまり
↓
インスリンの基礎分泌があれば問題なし +体重減少(肥満発生しない)+膨満作用あり
※スタチン夕食後を推奨しているモノはない⇒エビデンスあり⇒いつ飲んでも同じ
・DPP-4
チアゾリジン系との併用で効果up
↑
・心毒性あり
・効果は筋肉で効く
・チアゾリジン系⇒しっかりとNa制限しないと心不全になる
HbA1c:7.0%♀⇒⇒高齢者では、もう少し高くても良い
生命予後因子
Bp>Bs
歯周病>Bs Bsコントロールに歯周病が関係している。
↓
全ての歯を抜けば、Bsは改善することが分かってくる
葉が抜ける→歯槽骨がせせる
・ミネラル
Ca2+:無気力、頭痛
Mg2+が極端に低い⇒血糖コントロールが悪くなる
※インスリン抵抗性の発現機序として、Mg不足があるとエビデンスがある
※GI値(Glycemic inndex)
GI値について「消化吸収可能な炭水化物50gを含む食品を空腹時に摂取した時の、摂取開始から2時間後までの血糖変動曲線が描く面積が、ブドウ糖を50g摂取したときの面積の何%を示すかという値」
※食パン、フランスパンはブドウ糖よりもBsが上がる(GI値)
じゃがいも(米と同じ扱い)←砂糖以上の砂糖 ⇒じゃがいも(GI値:60%)
牡蠣は砂糖を食べるようなもの
TGが高い⇒夕食ボリューム型が多い(⇒晩酌も)
Key Word 「夕食ボリューム型」
■夕食ボリューム型郡が非夕食ボリューム型群よりも高い
136mg/dl vs 119mg/dl
■中性脂肪
202mg/dl vs 115mg/dl
■レムナント様ポリ蛋白コレステロール(RLP-C)
7.1mg/dl vs 4.6mg/dl
・インスリン製剤
インスリン⇒筋肉、脂肪で糖分を溜め込む
・暁現象
※朝の睡眠中・空腹時の時間帯に生じる特異的な血糖値の上昇のこと
超持続型インスリンのランタス(グラルギン)、レベミル(デテミル)、トレシーバ(デグルデク)を使えば、暁現象はかなり緩和されるようになった。
ランタス、レベミル‥打って6時間に山がある
トレシーバ ‥少し山がある
低血糖の再発はデグルデク投与で増加せず、2型糖尿病患者のメタ解析
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/wdc2013/201312/533967.html
基礎インスリン
どんなに安静にしていても、寝ているときも、からだは一定量のエネルギーを消費し続ける。それをまかなうために、肝臓は毎分1.8~2.2mg/kgの糖を全身に供給し続ける1)。一方、膵臓のβ細胞は、肝臓からの糖の放出量と全身における糖の取り込み量を適合させるために、常に一定量のインスリンを分泌している。これをインスリンの「基礎分泌」という。
インスリンの基礎分泌と追加分泌によって、空腹時の血糖値は通常70~100mg/dL くらいに収まる。
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